鼻から胃カメラ

今日は胃カメラの話です。当院で胃カメラを受けられる半数以上の患者さんはご本人の希望もあり、眠ったまま口から胃カメラをしています。もちろん、患者さんは楽ですし良い方法だと思います。

 

ところが、眠るお薬(鎮静剤)を使用しても、「オエッ」という咽頭反射はある一定の患者さんでどうしてもコントロールができません。もちろん、患者さんは検査中の「オエッ」の記憶は無いので、満足されていますが、実は医師にとっては咽頭反射があると検査自体が難しい場合もあります。何とか質を落とさないように検査をしていますが、看護師さんに手伝ってもらうなどマンパワーを取られることも少なくありません。

 

これに対し、鼻からの(経鼻)胃カメラは舌の奥(舌根)にカメラが触れないためほとんど「オエッ」がありません。数%の患者さんは鼻を痛がるといったデータもありますが、きっちり麻酔をかけて、無理のない挿入を行えば楽にできる検査です。実際、鼻からの胃カメラの9割以上の患者さんが次も鼻からを希望されます。

 

鎮静剤のリスクがない上、検査後、車の運転やお仕事にもすぐに行けるといったメリットがあります。また、当院の経鼻胃カメラは画像、明るさ画角も口からの胃カメラとほとんど性能が変わりませんので、正確な診断のクオリティーを保ったまま楽に検査ができます。今まで眠って胃カメラを受けていた方で時間や検査後の運転などが気になる方は是非一度、鼻からの胃カメラを検討されてはいかがでしょうか。

2020年12月04日