今回は、「アニサキスアレルギー」についてお話しさせていただきました。アニサキスアレルギーとは、胃の中にアニサキスの体の一部が残っているとそれに対する抗体ができます。そして次に入ってきたアニサキスのタンパク質に対して、アレルギー反応が出てしまう状況です。症状として、じんましんが出たり、腹痛、嘔吐などがあります。アナフィラキシーショックといって、呼吸障害や意識障害になることも。また、アレルギー反応がかなり激しい場合、呼吸が止まることもあります。呼吸が止まると数分で脳の活動が停止してしまい、命をおびやかす状況になります。アニサキスアレルギーを防ぐには、アニサキスの食中毒に気をつけましょう。70℃で十分に加熱するか、-20℃で24時間以上冷凍すれば、アニサキスは死滅するといわれていますので、アニサキスによる食中毒の予防には効果的です。アレルギー症状が出た場合は、早めに受診してください。
各地で25℃を超える日があり、熱中症になる方が増えてくる季節になりました。本格的な暑さを前に熱中症の予備軍となる「熱あたり」に十分気をつけていただきたいと思います。この「熱あたり」とは、熱中症のなりかけの状態、軽度の熱中症の状態をいいます。熱あたりの症状は、頭痛や微熱、倦怠感、夜眠れないなどの症状が現れます。これらの症状がひどくなると熱中症の危険が増します。今すでに熱あたりの症状がある方は、放置してしまうと症状が悪化し、熱中症につながりますので十分に気をつけましょう。「熱あたり」になりやすい方は、温度や湿度が上がったときに体温のバランスをとることが難しい人です。対策としては、暑熱順化といわれています。体は汗をかくことで体温を調整してくれる仕組みがあり、暑熱順化が進むと汗をかきやすくなり、体に溜まった熱が冷えやすくなります。暑熱順化になるには数日~2週間前後かかります。熱中症は梅雨時期から注意が必要ですので、まさに今、暑熱順化をされるのが適当だと思われます。日頃運動する機会がある方は、ジョギングだと15分、サイクリングは20~30分を週に2~3回、あまり運動をされない方は筋トレやストレッチを毎日か1日おきを目安に15~20分するとよいでしょう。入浴もシャワーだけでなく、40℃のお湯に15分ほど浸かり、睡眠をしっかりとりましょう。
先週は、真冬のような寒さがぶり返しましたが、週末には20度を超える暖かさでしたね。気温差で、体調を崩されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?今、くしゃみや鼻水などの症状の患者さんが多く受診されています。風邪やアレルギー性鼻炎(花粉症)の疑いがない場合は、寒暖差アレルギーと考えられます。1日の中で気温差が7度以上ある時に、くしゃみや鼻づまりなど花粉症に似た症状が現れます。今年は福岡でも気温差が激しいので、当院でも、例年に比べて寒暖差アレルギーの患者さんが多いように感じます。まだまだ気温差が激しい日々が続くと思いますが、適度な運動と規則正しい生活で、体調を整えて乗り切りましょう。
2月も後半ですが、寒さがぶり返すと同時に、ノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎のピークも長引いています。当院でも、先週から胃腸炎患者さんが増えています。ノロウイルスは、感染力が非常に高く、空気感染に近いくらいのちょっとした接触でも同じような症状が出てしまうことがあります。少しの不調で症状が軽かった人が気付かずに感染を広げていることもあり、それが集団感染につながったりするため注意が必要です。気持ち悪さ、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢などの症状がある場合は、触ったものにウイルスが付着してしまわないように、飛沫や排泄物の消毒や手洗いを徹底し、二次感染を防ぐようにしましょう。
今回は、帯状疱疹の予防接種についてのお話をさせていただきました。帯状疱疹とは、水ぼうそうウイルスによって発症する疾患で、皮膚に紅斑と水ぶくれが帯状に現れ、神経痛を伴います。長い間痛みに悩まされることもあり、ワクチン接種で予防することが大切となります。帯状疱疹の予防接種は、生ワクチンより不活化ワクチンの方が効果が高いのですが、費用が高額という問題がありました。福岡市では、2025年4月から50歳以上の方を対象に、帯状疱疹のワクチン接種の半額程度が助成されることになったため、以前より予防接種を受けていただきやすくなりそうです。最新情報が発表されたら、随時対応していく予定です。帯状疱疹不活化ワクチンの予防接種をご希望の方は、ご検討ください。
年末からインフルエンザ患者さんは急増していて、福岡県の警報レベル状態はまだ続いています。当院でも、インフルエンザA型陽性と診断される方が今ピークを迎えています。1日に40人くらい診察し、そのうち30人以上の高確率でインフルエンザA型が陽性となっている状況です。年始以降もこの感染状況が続くとみていましたが、今インフルエンザB型の患者さんがちらほらと出始めています。A型は高熱、のどの痛みなどが特徴ですが、B型は熱はあまり高くない場合もあり、主に吐き気や下痢などの胃腸障害が出るのが特徴です。今後1月末にかけて、B型の患者さんが増えるのではないかと懸念しています。全国的に薬不足などの不安材料はありますが、当院では、現状インフルエンザ治療薬は、薬不足の影響は受けず処方することができておりますので、発熱や胃腸障害などの症状がありましたら受診ください。
昨年12月中旬頃から福岡県ではインフルエンザが急激に猛威をふるっており、警報レベルの状態が続いています。当院でも、年末のギリギリまで、1日40人ほどの方がインフルエンザ陽性と診断される状況でした。感染拡大の原因は、ほとんどが家庭内感染です。年末年始は、会食など人が集まる機会が多いので、冬休みの間で感染がさらに広まっているだろうと予想され、年始以降もしばらくは感染状況は落ち着かないのではないかと懸念しています。引き続き、手洗い、マスク着用、ワクチン接種などで感染対策の徹底を心がけていただきたいと思います。
今回は「ヒートショック」についてお話しさせていただきました。
今から冷え込む時期に気をつけていただきたいのが、急激な温度差で引き起こるヒートショックです。特に入浴の際に起きやすいので注意が必要です。暖房の効いた暖かい部屋から冷え込んだ脱衣所に移動すると、寒さに対応するため血管が縮まり、血圧が上昇します。そして衣服を脱ぎ寒い浴室に入ると、さらに血圧が上がり、その状態で浴槽に入り体が急に温まると、今度は縮まった血管が広がり血圧が下がります。この急激な血圧の変化が脳内出血や心筋梗塞の引き金にもなります。高齢者や高血圧・糖尿病など基礎疾患がある人のリスクが高いといわれていますが、若い人も要注意です。お酒を飲んだ後、利尿作用で思った以上に脱水が進み、熱いお湯に入ることで失神を起こし、そのまま溺死するケースもあります。
対策としては、急激な温度変化を避けることです。入浴前から浴槽のふたを開けておけば、蒸気で浴室や脱衣所を暖めることができます。また、お湯の温度は41℃以下にして、浴槽に浸かるのは10分以内にしましょう。
さらに、浴槽から上がる際、急に立つのではなく、熱くなった体を外気に慣らすために浴槽のヘリをつかんだ状態で、まず半身浴のようにします。そして、ゆっくり立ち上がることで、脳の虚血を防止できます。
今回は入浴時のお話をしましたが、浴室以外にも家の中ではトイレなどでヒートショックは起こりやすいため、なるべく温度差をなくす工夫をしましょう。
気温も下がり、福岡県でもインフルエンザの感染者が大幅に増えてきています。また、今年は全国的にもマイコプラズマ肺炎が非常に流行しています。そんな中、医薬品の供給不足が非常に深刻な問題になっています。
当院でも、感染症の患者さんが多く受診される時期になってきましたが、薬不足による処方制限をしなければならない状況に頭を抱えています。特に、咳止めや痰のお薬の入荷が少なく、最低限の処方に留めています。お薬が効かなかったり、症状が長引いている場合のみ追加で処方するなどして対応していますが、感染症が落ち着く春先までは、このような状況が続くと予想しています。
これから本格的な冬を迎え、さらに感染症が流行していくと思われますが、罹患しても薬がないという状況を避けるためにも、まずは罹患しないことを心がけていただきたいです。うがい、手洗い、マスクに加え、予防接種などの対策を取りながら、感染予防に努めていくことがますます重要です。
おしゃれなクリニックの制服と小物特集で当院のスタッフがRKBのハカタの王様に取り上げられました。
今回の取材でも、新型コロナ感染の急増についてお話しさせていただきました。今月に入り、発熱などの症状で受診される方が急増しており、当院の発熱外来でも絶え間なく患者さんが来院されています。通常の診察室と分けられた発熱外来用の5つの診察場所も常に満室状態です。患者さんの中には、コロナ検査を希望されない方もいらっしゃるため、陽性の方も紛れていて、それも感染拡大に影響していると考えられます。
当院では、発熱外来は事前予約が必要ですが、1日約40件の予約が入っている日もある中で、予約なしのご来院も多く、業務圧迫されているような状況です。一昨年のような、発熱患者さんをお断りしなければならなかったピークが来そうな恐れがあり、心配をしています。
変異種「KP3」は、重症化リスクは低いとの発表はありましたが、感染力が強いため感染者がますます増加することが懸念されます。夏休みが始まりましたが、手洗い、うがい、消毒など基本的な感染対策をしっかり取って、症状がある場合は、出かけることを控えるようにして過ごしていただきたいです。
今福岡県の新型コロナ感染者が増え続けています。当院でも、7月に入って発熱患者さんが一気に急増している状況です。検査をした6割以上が新型コロナと診断される日もありますし、発熱外来の診療が追いつかずお待たせしてしまうような日もあります。学校や職場でのクラスターや会食での感染など、感染原因は今までと変わらずですが、2023年5月に新型コロナが5類に引き下げられ、治療薬などの公費負担がなくなった影響もあるのではないかと思われます。支払額が増えることもあり、治療薬を希望される方は少ないのが現状です。治療の選択は個人に委ねられるため、仕方ないことではありますが、変異株「KP3」も猛威をふるっていますので、油断することなく手指消毒、感染対策をしっかり取っていただきたいと思います。
今回は「新型コロナウイルス感染症の5類移行後の治療費と現状」についてお話しさせていただきました。
例年内科系のクリニックでは4~5月は患者数は減少傾向にあります。しかし現在、発熱に関する問い合わせや風邪症状(せき、のどの痛み、嘔吐、下痢など)で例年より多く患者さんが来院されています。なぜ今患者数が多くなっているのでしょうか?それはコロナ禍で様々なウイルスに対する免疫力が低下したと考えられます。
今まで政府の負担で無料で受けれていたPCR検査も自己負担となり、ウイルスや細菌を特定させる検査自体を希望しない患者さんも多いため、風邪という診断結果が多くなっています。「風邪でたいへんだった」「せきが出てたいへんだった」と詳しく検査すると陽性だったということがあります。自己負担にはなりますが、新型コロナのみのPCR検査は3割負担で約2,600円、新型コロナ+インフルエンザは3割負担で約3,000円となります。負担額は大きいですが診断確定につながりますので、検査を受けることをおすすめします。また新型コロナの治療薬も政府の補助がなくなり自己負担が2万円近くかかりますが、後遺症になりにくいといわれていますので、高齢者や危険リスクのある方には有効だと思います。
何よりまずは感染しないように、手洗い、消毒、マスク着用で基本的な感染対策を心がけましょう。何か症状でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
今回は「熱中症」についてお話しさせていただきました。
27日(土)からゴールデンウイークがはじまりますが、今年のゴールデンウィークは10年に一度の暑さになり、平均気温が平年と比べて1.9℃以上、上昇することが予想されています。気温が高くなると警戒が必要なのが「熱中症」です。5月は温度差が激しくなるので、今まで涼しかった所が急に暑くなることによって、それに体が対応できなくなって熱中症の患者が徐々に増えてくるという報告があります。暑熱順化(しょねつじゅんか)をすることで予防につながります。暑熱順化とは体が暑さに次第に慣れていくことで、個人差はありますが、数日から2週間程度かかるといわれています。
暑さに体を慣らすには運動が必要です。屋外の場合は 30分程度の軽いランニングやウオーキングを週2~3回、屋内の場合は毎日15分程度の筋トレ・ストレッチを行うことが効果的です。今の時期から水分をしっかり取りながら運動をし、汗をかきましょう。また、ぬるま湯くらいのお風呂に入って血管を開いたり、汗を流したりすることで、これからの季節に合わせて準備することが大事だと思います。危険な暑さと感じたときには、不要不急の外出はできるだけ控えて、暑い中では無理をせず、熱中症予防に努めていただけたらと思います。
今回は「麻疹のワクチン接種」についてお話しさせていただきました。
先日もお話しさせていただきましたが、今年に入り国内で麻疹の感染が確認されています。福岡県では2021年を最後に麻疹の感染者は出ていませんが、ワクチン接種の希望者が増えています。麻疹の感染力は極めて強く、抗体がないとほぼ100%発症すると言われていますが、2回のワクチン接種で約99%感染を防げます。まずは母子手帳などで、ご自身が抗体を持っているか確認してください。それでもわからない場合は、自費で血液検査をし、抗体があるか調べることができます。当院でもワクチン接種を受け付けており、予約制となっております。当院の受付、またはお電話でワクチン接種のご希望の時間と日にちのご予約をお願いいたします。
今回は「麻疹流行りの危険性」についてお話しさせていただきました。
今年に入り麻疹が流行りつつあります。当クリニックでも問い合わせが増えており、3月13日には福岡県医師会から注意喚起もでています。それに伴い、ワクチン接種者も急増しています。麻疹の感染力は極めて強く、感染経路としては空気感染、飛沫感染、接触感染です。麻疹に感染すると風邪のような症状(発熱、咳、鼻水など)からはじまり、その後39℃以上の高熱や発疹の症状が現れます。肺炎や中耳炎を合併しやすく、免疫がないとほぼ100%発症するといわれています。予防としてはワクチンの接種です。2回のワクチン接種で約99%感染を防げます。まずは母子手帳などで、ご自分が抗体を持っているか確認してください。それでもわからない場合は、自費で血液検査をし、抗体があるか調べることができます。この機会に麻疹に限らず、ご家族を病気から守るためにもご自分の抗体のステータスを確認しましょう。
今回は「ヒートショック」について詳しくお話しさせていただきました。
ヒートショックは、急激な温度変化によって、急に血圧が下がり脳卒中などを引き起こします。最悪、死に至ることもあるため注意が必要です。ヒートショックが起こる場所としては、浴室、トイレ、ベランダ、ゴミ捨てなどのちょっとした外出でも部屋との温度差でヒートショックは起こりうるので、上着を着るなどの防寒対策が大事です。また、入浴前の対策としては、常温の水か白湯をコップ1~2杯飲んで水分補給し、暖房器具で脱衣所を温めたり、入浴前にお風呂場のドアを開けシャワーでお湯を出して暖めたりすると、温度差を感じにくくなります。お風呂の温度も40℃以下で10分ほどにおさめましょう。睡眠不足も高血圧につながるため、ゆっくりと休養をとり、気温の急激な変化に注意して、対策や工夫をしながら寒さを乗り切りましょう。
今年は、暖冬で気温が高く過ごしやすい日が多いですが、強い寒気が入り急激に気温が下がると、寒暖差で体調不良になる方が増えるのではと心配しています。免疫力も落ち風邪も引きやすくなりますし、当院でも発熱などを訴える患者さんがさらに増えると思われます。
この時期、さらに心配しているのが、いわゆる「ヒートショック」です。入浴時などに、寒い脱衣所から急に熱いお風呂に入ったりすると、寒暖差で脳卒中や心臓病を起こすことがあり、最悪の場合、命に関わります。対策としては、暖房器具で脱衣所を温めたり、入浴前にお風呂場のドアを開けシャワーでお湯を溜めたりすると、温度差を感じにくくなります。また、飲酒後の入浴も血管に負担がかかりヒートショックの原因となりますので、止めていただきたいです。気温の急激な変化に注意し、対策や工夫をしながら寒さを乗り切りましょう。
福岡県では、年末からインフルエンザ注意報が発令されていましたが、当院の発熱外来では、年が明けてからもまだまだ多くの方が発熱を訴えて受診に来られている状況が続いています。最近は、インフルエンザと新型コロナが同時に流行しているような印象を受けます。新型コロナ感染状況が落ち着いてからは、コロナ陽性者の方がいない日もありましたが、今は毎日3、4人は陽性者が出ている状況です。検査を受けられた方の10分の1ほどが新型コロナ陽性と診断されています。コロナ渦前の日常が戻りつつある日々ですが、今後も感染症流行の波は続くと思われますので、引き続き感染対策に努めていただきたいです。
今回も増え続けているインフルエンザ感染についてお話しさせていただきました。福岡県ではインフルエンザが大流行していて、この時期としては異例の7週連続で「インフルエンザ注意報」が発表されています。当院でも例年春には落ち着くはずのインフルエンザが、夏場も続き、そのまま今シーズンに突入。特に今月から患者数が急増し、現在、発熱外来の半数それ以上がインフルエンザの方で、あまりに多く、検査をお断りすることもあります。また、一度インフルエンザにかかっても、別の型にかかるケースも多いため、もうしばらくはインフルエンザに注意が必要だと思います。予防としては、ワクチン接種や手洗い、マスク着用など基本的な感染対策をとっていただきたいです。インフルエンザ予防接種、そのほか検査のことなど気になることはご相談ください。